JR福井駅西の複合施設「響のホール」(福井市中央1)で2月5日、投資家・桐谷広人さんのトークイベント「桐谷流! 優待生活とテレビ出演の裏話」が行われた。
大量の株主優待券が入った「優待袋」を披露すると、会場からは大きなどよめきが
桐谷さんは1949(昭和24)年、広島県竹原市生まれの元プロ棋士。30代半ばに株式投資を始め、日本テレビ系のバラエティー番組「月曜から夜ふかし」出演を機に一躍話題の人となった。現在は約600銘柄の株を所有し、生活のほとんどを株主優待品で賄っているという。
イベントは、同ホール内にある第3セクター「まちづくり福井」が企画する「ふくいアートフェスタ2016」の一環。同フェスタでは毎年、著名人などを招いた特別講演会を行っており「親子連れなど幅広い層が中心市街地に足を運んでもらえるきっかけになればと考え、桐谷さんに打診した」(同社の井上佳音里さん)という。
14時30分から行われたイベントには約250人が来場。トレードマークのリュックサック姿で登壇した桐谷さんは「信用取引の影響もありリーマンショック時に2億数千万円の損失を出したが、株主優待のおかげで何とか食いつなぐことができた」と切り出した。
「株式投資は余剰資金で分散投資するのが原則」とした上で「株の売買単位引下げやネット証券会社の普及で個人の株式投資が容易になった。配当利回りに換算すると少額投資における株主優待のパフォーマンスは良いと言え、女性なら化粧品会社の優待品をチェックするのも一つの方法」と指南した。
後半では、桐谷さん自ら「ごみ屋敷」と評する自宅に関するエピソードも。「番組スタッフが打ち合わせと称してカメラマンを自宅に連れてくるので逃げ隠れできない。家族から『もうテレビに出ないで』という連絡もあった」と冗談交じりに明かしつつ、「各地の講演に呼ばれるようになったのもテレビのおかげ」と振り返った。
井上さんによると「フェイスブックと市政広報だけでの告知だったが、過去最速ペースで満席になり関心の高さがうかがえた」という。友人と訪れたという越前市在住の30代女性は「福井では株主優待の恩恵を受けられる機会が少ないと思っていたが、プリペイドカードを優待品にしている企業もあると知り興味が湧いた」と話した。