
福井市の和菓子店「えがわ」(照手3)が7月12日、「六条大麦むぎ茶 水かんてん」の販売を始めた。
福井市内の麦畑で記念撮影する、景山さん(左から3人目)ら関係者
冬季限定の看板商品「水羊かん(ようかん)」などを手がける同店の新商品。福井県産六条大麦を使った涼菓で、同店と、六条大麦の生産などを手がける「大麦倶楽部」(殿下町)、高志高(御幸2)の生徒らが協働し、約1年かけて商品化にこぎ着けた。
同校3年の景山結理さんによると、開発のきっかけは景山さんらの課題研究「生産量日本一の福井県産六条大麦をどうすれば知ってもらえるか」だったという。
景山さんは「課題設定に当たり福井の特産品を調べていくうち、福井県産六条大麦の生産量が全国の4分の1を占めていることを知った。ところが、アンケートを実施してみるとその認知度が低く、より多くの人に福井県産六条大麦のことを知ってもらう方法を模索した」と話す。
認知度向上の方法として景山さんらが考案したのが、六条大麦を材料とする麦茶を使った菓子だった。プリン、ゼリー、寒天などを試作し、麦茶の風味を一番生かせる菓子として寒天が候補に挙がったという。
「えがわが夏の定番商品として『水かんてん』シリーズを出しているのを以前から耳にしていた。シリーズの一つとして麦茶の水かんてんを出してもらえたら、より多くの福井県民に福井県産六条麦茶のことを知ってもらえるのではと考えた」と景山さん。
えがわの江川真紀子専務に打診したところ、「水かんてんシリーズの新商品が欲しかった」という回答を得て本格的に開発を始めた。景山さんは「自分たちで考えた商品を食べてもらえることを想像しながら開発を進めるのは楽しかったが、商品の付加価値の設定や、企業との連携の取り方など苦労したこともあった」と振り返る。
麦茶の味わいを生かすために甘さを抑えて仕上げたという。景山さんは「麦茶の水かんてんを風味よく感じてもらえるようにするため、企業の人たちの助言を得ながら工夫を重ねた。自分たちのアイデアが形になりうれしい」と話す。
1箱200グラム入り。価格は750円。