サウナ専門店「さんくさうな」(越前市国府1、TEL 0778-67-7371)が3月15日、オープンした。
LEDライトを設けた男性用サウナ(左)、10人収容の女性用サウナ(右)
越前市役所から徒歩約3分の同店は、かつて写真館として使われていたビルを改装して開店。店主の橋本誠さんが取り寄せたという「フィンランド式バレルサウナ」の設備を店内に設ける。
店舗面積は約275平方メートル。1階が女性フロア、2階が男性フロアとなっていて、各階にサウナと水風呂、「ととのう」スペース、洗面所、ロッカー、無料ドリンクバーなどを設ける。女性フロアに10人用サウナを1台、男性フロアに4人用サウナを2台設置し、男性用サウナの室内温度をそれぞれ、110℃、80~90℃に設定している。
店舗の内外装は木の質感を打ち出すことにこだわった。サウナの組み立ては橋本さん自らが行い、男性フロアにあるサウナの一つにはDIYでLEDライトを付けた。落ち着いた雰囲気を演出する照明や店内BGMには、ほてった体を水風呂で冷やして休息する時に体感する気持ち良さをサポートする意味があるという。
1回当たりの利用時間は身支度20分を含め1時間20分。料金は1,500円。月額5,000円のサブスクリプションプランも設定する。ポンチョ、サウナハット、タオル、ドリンクバー用のタンブラーなどの貸し出しは無料。シャンプー、コンディショナー、ボディーソープ、化粧落とし、化粧水なども備え、手ぶらで気軽に立ち寄ることができるようにした。
40歳で独立しサウナ専門店を始めた橋本さんは、会社員の傍ら軟式野球チームの投手としてプレーした経歴の持ち主。昨年4月のマスターズ日韓大会では日本代表で参加し、全試合先発勝利投手となってチームを優勝に導いた。「代表メンバーと訪れたサウナで初めて『ととのう』という感覚を味わい、衝撃と感動を覚えた。サウナの魅力を広めるとともに、サウナの本場とされるフィンランドのバレルサウナでととのってほしいと考えて開店プランを練った」と振り返る。
橋本さんは「町中には低料金で利用できるサウナを備えた公衆浴場がある。サウナに入る時や外気浴をポンチョ着用にするなど、専門店ならではのサービス提供が求められる」とも。起業を決めてから交流が始まった地域住民とのつながりに後押しされ、サウナの魅力発信や地域活性化への思いなどからクラウドファンディングも実施。目標額を超える約113万円の寄付があった。
地域住民の間で広がり始めたというサウナブームを追い風に、橋本さんは「起業の手順、経営者としての心得、物件選び、リフォームの方法など分からないことだらけだったが、偶然の出会いや思わぬ縁に助けられ開店にこぎ着けることができた。これからも顧客ニーズに素早く対応し、地域の人々と一緒に楽しい挑戦ができれば」と笑顔を見せる。
営業時間は10時~23時(受け付けは22時まで)。月曜定休。