福井県鯖江市JK課が6月26日、同課初となるウェブアプリ「Sabota(サボタ)」を発表した。
鯖江市図書館個人用ブースの空席状況を確認できるアプリ「Sabota」
同課は今年4月、同市の市民参加型プロジェクトとして発足。同市内の高校に在籍するJK(=女子高生)13人で構成されている。発足後、メンバーの一人が「(鯖江市)図書館での自習は相席だと気をつかう。個人用ブースの空き状況をインターネットで見られるようになれば」とアイデアを出したのがアプリ開発のきっかけ。
開発には同課メンバーのほか同市内にあるIT企業「jig.jp」が参加。デザインや機能設計を同課が、プログラミングを同社が担当した。「Sabota」の名称は同課の発案で「鯖江」「ブック」「データ」のアルファベット表記から命名。メンバー間でLINEメッセージを交換し発表ぎりぎりまで名称を練ったという。
アプリの本格稼働に備え、同課メンバーが同市図書館個人用ブース11席に赤外線センサーを設置した。センサーと電子回路で処理された空席情報が館内のiPadで同課サーバーに送られ、利用者がスマートフォンなどで情報を参照する仕組み。空席情報は同市が進める「データシティ鯖江」の施策に基づきオープンデータでも公開を予定する。
アプリには図書館の蔵書検索や、貸し出し図書を返せる施設マップといった機能も盛り込んだ。「ページ間を移動しやすいようデザインに気を配った。メガネやレッサーパンダなど市の名物も描いた」(デザイン担当の同課メンバー)という工夫も。
アイデアを出した同課メンバーは「一人の女子高生の声で市政やビジネスが変わるとは考えてもみなかった。すごくうれしくて今も現実とは思えない」と声を弾ませる。女子高生のニーズを受け牧野百男市長は「『若者の目が地域に向くように』と始めたJK課とオープンデータが融合するとは予想しなかった。ITを活用した夢あるまちづくりで若者を引きつけていきたい」と意気込む。
同アプリは、センサーの調整を経て7月11日までに稼働を始める予定。