福井駅前商店街にある吉田ビル(福井市中央1)で8月1日、「ヲタ芸」グループ「福井勢」が屋外パフォーマンスを行った。
福井鉄道の線路が通る、通称「駅前電車通り」に向けてパフォーマンスを行った
ヲタ芸はアイドルやアニソンなどのライブで、声援や手拍子だけでは飽き足らないファンの間で生まれたパフォーマンスの一種。仲間内で「打ち師」と呼ばれるパフォーマーたちがサイリュームなどの「光り物」を手に、切れの良い振り付けを競うなどしてアイドルやアニメへの愛を全身で表現する。
同グループは福井県内在住のヲタ芸好きが昨年11月に設立し、高校1年生~大学2年生の約40人で構成する。普段は福井市中央公園(大手3)で練習に励み、「ふくい春まつり」などのイベントでヲタ芸を披露してきた。
同日20時、県外からのサポートメンバーを含む10人が同ビル屋上に現れ、MCを交えながら「GIVE ME FIVE!」(AKB48)、「オリオンをなぞる」(UNISON SQUARE GARDEN)、「天体観測」(BUMP OF CHICKEN)の楽曲に合わせパフォーマンスを披露。同ビル付近にはスマホゲーム「ポケモンGO」の「ポケストップ」があり、アイテム入手に訪れた人たちなど約100人が足を止めて見入っていた。
企画したのは、同ビル内にあるレンタルダンススタジオ「Dスタ」店主の福島亘さん。「新聞やテレビで『福井勢』の存在を知り、夜のライブだと芸がきれいに映えるのではと、彼らが店に練習に来てくれた時に声掛けした。夜に大音量で曲を流すため、ビルオーナーに許可を得るなどしながら『人々の心に何か記憶が残せるイベントを』と準備を進めた」と振り返る。
9月10日には、鯖江市まなべの館(鯖江市長泉寺町1)でのライブを予定する。メンバーの「だんね」さんは「学校の体育の授業は大の苦手だが、ヲタ芸で持久力だけは付き、20メートルシャトルランでクラストップになることができた。練習中に『キモい』という視線を感じることもあるが、福井にちょっと変わったパフォーマンス集団がいると知ってもらえれば」と話す。