福井市にある建機販売・レンタルの「コマツサービスエース」(福井市主計中町、TEL 0776-38-8200)が現在、建設機械の自動ブレーキ制御システムの実証実験を進めている。
汎用(はんよう)建設機械で自動ブレーキシステムを試用する事例は国内初という
同実験では、ブレーキ制御に仏アルキュール社の高精度ステレオカメラセンサー「ブラクステール」を使用。ホイールローダーなどの建設機械後部に同カメラを設置し、センサーからの制御信号を活用することで、後方6メートルの範囲内に歩行者や作業者を検知した場合のみ、機械を減速・停止できるようにした。
福井県坂井市にある建設廃材リサイクル・改良土プラント運営「江川組」(坂井市坂井町河和田)の要請で実証実験にこぎ着けた。同社では建設機械と作業員の接触事故を防ぐ狙いから、「乗用車で普及が進む自動ブレーキを建機で実現できれば」と、開発の相談を持ち掛けたという。
両社は6月16日、江川組プラントでホイールローダーを使った公開実験を行い、時速20キロ以下の場合に機械がスムーズに停止することを確認。今後、天候や作業環境の変化などの影響を確かめながら、実装に向けたチューニングを予定する。
同センサーの国内総輸入代理店「エウレカ」(福井市主計中町)の担当者は「すでに超音波センサーなどを用いた同様のシステムは存在するが、資材や廃材なども検知対象にするため、頻繁に自動ブレーキが掛かるなど実用向きではなかった。安全確保に対する意識の高い企業主にとって朗報となるのでは」と期待を寄せる。