福井県敦賀市で3月1日、「学生団体 Tongood(トングッド)」が発足した。
越前敦賀城主・大谷吉継の錦絵「太平記英雄傳 大谷刑部少輔吉隆」(落合芳幾)
福井高専(鯖江市下司町)3年で同市出身の山貫緋称(ひな)さんの呼び掛けで始まった同団体。同3年の津田彩加さんと納谷らいむさん、同4年の榎並悠馬さんの計4人で構成する。山貫さんは「以前から学生団体を運営したくて、同じような熱を持っていそうな人を学科や学生会つながりで当たっていった」と振り返る。
立ち上げに当たり、福井県内の学生団体に運営手法などを尋ねながら、活動のキーワードを「歴史」に固めた。「建造物、文化、人物など、敦賀は歴史的な素材が豊富な街。大きなイベントを仕掛けて終わりというのでなく、私たちが卒業しても続くような団体になれば。迷った時に立ち返ることのできる『活動の軸』を考えた」と山貫さん。
団体の名称は、「敦」の音読みである「ton」と、同市の良さを指す「good」を組み合わせて作った。同市出身で、越前敦賀城主・大谷吉継に関心があるという納谷さんは「(団体名は)約20候補からメンバーで話し合って絞り込んだ。トングでつまむように、敦賀の歴史的な良さを発掘していければとの思いも込めた」と明かす。
「学生団体とはいえ、学生だけで活動するコミュニティーにするつもりはない」とも。まちづくりに関心のある一般市民と関係を深める方針で、今年を助走の年と位置付ける。滋賀県出身の榎並さんは「敦賀の良さを発信するにはまず、自分たちが街そのものを知ることが大事。イベントスタッフなどの参加でたっぷりインプットして、秋冬以降の活動につなげたい」と意気込む。
現在は、市内の活動拠点作りを目標に掲げる。「メンバーは全員、福井高専生で学内で集まることは簡単だが、今後の活動のためにも、敦賀の歴史をリアルに感じられる中心市街地に拠点を設けたい。市内の大学に通う学生ともつながっていければ」と意欲を見せる。