JR福井駅西に9月1日、コワーキングスペース「sankaku」(福井市中央1、TEL 0776-30-0606)がオープンした。
施設面積は約30坪。席数は24席。会員登録費は3,240円で、月会費3,240円で1日4時間まで利用できる。会員以外も2時間540円でドロップイン利用でき、イベントなどのスペース貸しも2時間2,160円で受け付ける。お試し期間として18日まで、ドロップイン料金は無料。
電源やWi-Fiの利用は無料。プロジェクター+スクリーン(2時間540円)、パソコン+60インチディスプレー(2時間1,080円)などの貸し出しや、コピー機利用サービス(モノクロ1枚=10円、カラー1枚=50円)も行う。
オープンのきっかけは、地元紙「福井新聞」の連載記事「まちづくりのはじめ方~記者、奔走。」だった。同市中心市街地や県内各地のまちづくりをテーマにした連載は2014年3月にスタート。同記事担当記者の高島健さんは「当初はオーソドックスなリポートを考えていたが、企画チーム自身がまちづくりを実践すれば、より親しみの湧く記事になるのではという話にまとまった。会社も応援してくれた」と振り返る。
企画を進める中で浮上したのが、リノベーション(以下、リノベ)によるまちづくり。高島さんは同僚と共に、先進地である北九州市や静岡県熱海市などに出向き、街なかの遊休不動産がリノベで生まれ変わった姿を目の当たりにした。福井駅前商店街振興組合の加藤幹夫理事長が北九州市発祥の「リノベーションスクール」に関心を示しているという情報も聞き付け、リノベの将来性を見込んだ人たちによるまちづくり会社「福井木守り舎」を同年11月に設立。高島さんもスタッフに加わった。
初めてリノベを手掛ける元服飾店の物件に「これからビルディング」と名付け、街に住むことをイメージしたカフェ「su_mu(すむ)」を1階に、同スペースを3階に設けた。「連載記事は『中心市街地』と『地域』の2本柱で、コワーキングスペースが両者の橋渡し役になればと考えた」。都内に6カ所あるシェアオフィス「co-lab(コーラボ)」企画運営代表の田中陽明さんから「地元福井のまちづくりに貢献できれば」と、運営に関する助言を受けることも決まったという。
「これからの大工はDIYを提案できることが大切」と話す越前町在住の大工・五十嵐亮さんの指導の下、DIYによるセルフリノベで約1カ月半かけて改装を行った。高島さんら企画チームメンバーも一緒に汗を流したといい、「いろんな道具の仕組みや使い道を知ることができ貴重な経験だった。丸ノコとインパクトドライバーを使わせたら日本一の新聞記者かも」と笑顔を見せる。
スペース名には「三角形」や「尖(とが)る」などの意味を込めたという。「空間に3つの点を打って結ぶと平面ができる。自分たちが打ち始めた『まちづくりの点』が面となって広がっていけば」。取材での外出時を除き、同記事担当記者が交代でスペースに常駐する予定で、「新聞記者に会えるコワーキングスペースであることも売り。まちづくりに関する情報などを気軽に持ち込んでもらえれば」と呼び掛ける。
9月18日19時30分から、同スペースでオープニングイベント「Draw like singing Vol.1」を開く。福井の4人組バンド「ELENCO(エレンコ)」のライブと、越前市在住のデザイナー・三木あいさんによるチョークアートのライブドローイングをメーンに、「su_mu」のフード・ドリンク類を並べる。料金は1,000円。
営業時間は11時~20時。日曜・祝日定休(イベント・セミナーなどの予約利用は可)。