坂井市の丸岡城のプロジェクションマッピングナイト「ヒカリ結び」が5月10日、終了する。
人の動きに合わせて光が動いたり音が鳴ったりする仕掛けを盛り込んだ「公園マッピング」の様子
丸岡城は江戸時代以前に建設された天守が現存する国の重要文化財。「ヒカリ結び」は2021年3月に始まった夜間イベントで、天守を舞台に毎日20時、21時の2回上映してきた。2027年11月末までを予定する天守保存修理工事に伴い、約5年の定期上映に幕を下ろす。
坂井市観光交流課の杉田和也さんによると、事業開始の背景にはコロナ禍による観光客の急減があったという。「2020年は丸岡城の年間来訪者が前年度の34.1%まで落ち込み、感染リスクを抑えながら観光客を呼び込む手法として昼間と異なる時間帯への誘客を見込めるプロジェクションマッピングを選んだ」と説明する。
これまでに「伝説篇(へん)」「平和の祈り篇」「未来創造篇」「丸岡藩誕生400年記念特別編」の4作品を制作・投影した。天守までの園路や商店街には、坂井市と丸岡文化財団が毎年募集する「一筆啓上賞」の作品をあしらった約120基のあんどんも設けた。
地元住民からは「丸岡城にこれほど多くの人が集まっているのは初めて見た。みんなが丸岡城にくぎ付けになっていて誇らしい気持ちになった」、来訪者からは「無料で毎日実施しているのが素晴らしい。夜間に城を訪れたのは初めてでいい思い出になった」「見るだけでなく人の動きに合わせて変化する映像もあり、一緒に来た子どもも楽しめた」などの感想が寄せられたという。
累計来場者数は延べ15万人。プロジェクションマッピング観賞を組み込んだ団体バスツアーも関東方面を中心に延べ387本企画され、約1万3500人が訪れたという。市では夜間来場者分の経済効果を約7,500万円、ツアーによる市内宿泊の経済効果を約4,300万円とそれぞれ推計している。
杉田さんは「5年間で15万人を呼び込んだ地域発のコンテンツが、地域の絆を強め、明るい未来へ導くという文字通りの『ヒカリ結び』になったと感じている。大規模修理のため見学制限など不便をかけることもあると思うが、ヒカリ結びを通して培ったおもてなしの心でこれからも来訪者を迎えられれば」と話す。