伝統的建築物が並ぶ「蔵の辻」(越前市蓬莱町)で6月7日、「水無月の古本市」が開かれる。主催は、地元有志などでつくる「まちなかにぎわい市実行委員会」。
2006年から開いている「武生にぎわい市(壱の市)」の一環。開催10年目となる今年は、越前市の地域おこし協力隊メンバーが企画に加わり、「季節の移り変わりを肌で感じられるイベント」をコンセプトに、梅雨時期に屋内で楽しめる企画として、福井県内を中心とした本好きが集うコミュニティ「Have a nice book!」と共同で古本市を行う。
当日は、福井とゆかりのある11人が県内外から集まり、お薦めの文庫本や地域限定雑誌など趣味の収集本を並べ、来場者と対話しながら販売する。福井市出身の大学院生・牧野智史さんは「読まない本屋」と題し、仮面をかぶった民族衣装の写真集など「見るだけで楽しめる本」約20冊を古本展示スペース設けて並べる。牧野さんは「専門は建築学のため、研究ではビジュアル説明が必要なことが多く、課題のヒントとなる本が自然と集まった。本を開いて楽しめる入り口を提供したい」と意気込む。
会場ではこのほか、読書の時間を有意義にするアイテムとして、墨絵のブックカバー、着物の端切れや古布で作ったしおりの販売、レシート芯でブックスタンドなどを作るワークショップ、福井県内で絵本の移動販売を行う「meruhon」の出店、「かこさとし ふるさと絵本館」(越前市)による移動図書館、絵本の読み聞かせ会も予定する。
飲食販売ブースでは、ビンテージ家具と雑貨を扱う「EPISO」(福井市)が椅子などを展示販売する無料休憩スペースを設ける。
同協力隊の牛久保星子さんは「今後も季節に応じて内容と時間帯を変えながらイベントを展開していく。壱の市が本当に好きなことをできるきっかけとなれば」と意欲を見せ、「本好きな人がわくわくしながら好きな本を紹介する。ポジティブな思いを共有し交換し合える場となれたら。本をツールに雨の日の生活をもっと豊かにしたい、という人にぜひ来てほしい」と呼び掛ける。
開場時間は10時~14時。入場無料。