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福井・永平寺の精肉店が移転オープン 3代目、「100年企業へ」と決意込め

店頭で撮影に応じる前田さん

店頭で撮影に応じる前田さん

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 永平寺町の精肉店「前田かしわ店」(松岡芝原1)が7月27日、移転オープンした。

応援購入サイト「Makuake」で予約を受け付けている、同店定番の「親鶏ロースト」新商品

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 店舗面積は300平方メートル。店内には、鶏肉・牛肉・豚肉などの精肉類、焼き鳥セット、バーベキューセット、親鶏ローストやおつまみ砂肝など自家製総菜が並ぶ。

 1963(昭和38)年創業の同店で新店舗を取り仕切るのは3代目の前田大志さん。地元の大学を卒業後、アパレルメーカーの営業マンとして国内外を飛び回り、脱サラして店を継いだ。

 前田さんに転機が訪れたのは5年ほど前のことだった。「還暦近い父から店の将来について相談があった。学生時代に店の手伝いをすることがしばしばあり、『こんな大変な仕事は継ぎたくない』と会社員になったものの、父の話を聞き、創業60年を迎える店をこのままなくしていいのかと考えるようになった」と振り返る。

 同店はかねて、週末になると9時30分の開店を待つ行列ができるほどの人気店。8月の旧盆期間中も、総菜部門の業務を止めて精肉類の販売に集中する必要があるほどのにぎわいだったという。

 「長年付き合いのある仕入れルートを生かして、鶏肉・牛肉・豚肉全てについて厳選した物を販売している。初代、2代目と受け継がれた目利きや、肉の鮮度へのこだわりなどをお客さんがきちんと評価してくれているのが店の売り上げにつながっている」と前田さん。

 店を継ぐに当たり、「私自身がSNSでの広告塔となり、全国へおいしい肉や総菜を届けるきっかけをつくる」と決めた。前田さんのように家業を継いだ境遇にあるSNSユーザーの投稿を研究し、ほれ込んだ人の新しい投稿を必ずチェックしたり、先行事例の良い点を参考にしたりしてブラッシュアップを重ねたという。

 店を継ぐ決意を語ったインスタグラムの投稿には2万5000人からの「いいね」が付き、表示回数は250万回を超えた。客から「SNS投稿をよく見ている」と声をかけられることもあり、「ファンづくりの手応えを感じる」と前田さん。「新たな通販商品の開発、応援購入サイトでの販売、母の得意分野である総菜への注力などプランは尽きない。地元の人たちに愛される『100年企業』を目指しチャレンジを続けたい」と力を込める。

 営業時間は10時~18時(土曜・日曜・祝日は9時30分から)。火曜・水曜定休。

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