
観光案内所「Craft Invitation(クラフト・インビテーション)」(鯖江市片山町)が7月14日、鯖江市にオープンした。
越前漆器や越前和紙など伝統的工芸品や、眼鏡や繊維といった地場産業などのものづくり拠点が集まる、福井県丹南エリアにオープンした案内所。同エリアでオープンファクトリーイベント「RENEW(リニュー)」などを手がける一般社団法人「SOE」(同)が運営し、地域の産業観光にスポットを当てた拠点づくりを目指す。
延べ床面積は約65平方メートル。「鯖江のものづくりと訪れる人をつなぐ」をコンセプトに掲げ、同市や周辺地域の事情に詳しいスタッフが、産地の見所、工芸品を扱うショップ、お薦めの飲食店などのローカル情報を提供する。日英バイリンガルのスタッフも常駐し、訪日外国人観光客にも対応する。
内装には産地の技術や魅力を伝える演出を施した。施設内中央のカウンターテーブルは、1793年創業の越前漆器製造元「漆琳堂」(西袋町)が手がけ、空間の奥行きを感じられるよう塗色のグラデーションに工夫を凝らした。倉庫に眠っていた木地を積み重ねて棚の柱にしたり、加工してランプシェードにしたりするなど、産地のストーリーを感じられるような仕掛けも盛り込んだ。
案内所スタッフの佐野響さんは「『RENEW』は2015(平成27)年に始まった毎年恒例のイベントで、近年は3日間で約4.8万人が訪れるまでになった。作り手自身が販売する『ファクトリーショップ』もイベントを機に40店以上開店し、ものづくり産地を年間通して楽しんでもらえればと案内所をオープンした」と話す。
同法人は8月から、「URUSHI BIKE(ウルシバイク)」と称した漆塗りのレンタサイクル4台を展開する。今秋には、隣接する越前市今立エリアに越前和紙をテーマにした宿泊施設のオープンも予定する。佐野さんは「観光客はもとより、丹南を訪れるクリエーターやバイヤーにも新たな仕事につながる情報を提供していければ」と意気込む。
営業時間は10時~17時。土曜・日曜・祝日定休。