
福井市が現在、市内の足羽河原のサクラ並木保存に向けた取り組みを進めている。
強剪定作業中の様子。同課によると、「強剪定は青森県弘前市の弘前公園内でも行われ、樹齢100年を超えるサクラが今も咲いている」という
サクラ並木は、市内の木田橋付近から新明里橋付近まで全長約2.2キロに約600本のソメイヨシノが連なり、「日本さくら名所100選」にも選定されている。福井市観光振興課によると、1952(昭和27)年に行われた「福井復興博覧会」を機に市民の寄付を基に植樹されたという。
植樹から70年以上がたち、現地では、台風や積雪などの影響による倒木や枝折れが相次いでいる。同課によると、法規制により同じ場所に再植樹ができないため、既存樹木の保全が急務という。
市は2024年度、「足羽川桜並木長寿命化計画」と称したプロジェクトを発足し、約220本を対象とする「強剪定(きょうせんてい)」の事業を進めている。強剪定は衰えた幹や枝をあえて伐採することで萌芽を促す再生技術で、2024年度は市内でサクラ約60本を対象に強剪定が行われた。
プロジェクトは2028年度まで5年計画で行う予定で、市はふるさと納税制度を利用したクラウドファンディングで継続的な支援を呼びかける。寄付は同課窓口と専用ウェブサイトで受け付け、寄付金は強剪定、施肥、樹木の治療などの維持管理に充てる。目標額は1,230万円。2025年度は、11月下旬から来年2月にかけ45本程度を対象に強剪定を行う見込み。
クラウドファンディング締め切りは9月30日。