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福井のカフェで鉄道写真展 岐阜から移住の2人、電車の生い立ちに人生重ねる

(左から)藤井さん、野田さん。会場ではリバーサルフイルムの作品も展示する

(左から)藤井さん、野田さん。会場ではリバーサルフイルムの作品も展示する

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 写真展「駆け抜ける電車たち -岐阜から福井への軌跡-」が6月27日、カフェ「毛矢珈琲」(福井市毛矢3)で始まる。

藤井さんの展示作品。2022年、福井鉄道三十八社駅付近ですれ違う770形

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 福井在住の鉄道ファン、野田幸彦さんと藤井広人さんが企画した同展。名古屋鉄道から福井鉄道に移籍した770形と880形車両をテーマに、写真約25点を展示する。2人は故郷の岐阜から福井に移住した経歴を持ち、自身の人生と電車の生い立ちを重ねて写真を紹介する。

 「新卒で福井に移住した藤井さんとは親子ほどの年齢差」(野田さん)という2人の交流は、X(旧ツイッター)でのやりとりがきっかけ。その後、福井市内で撮影中の藤井さんに野田さんが出くわしたことで交流が活発化した。

 同じ車両を被写体としながらも、2人のアプローチは対照的で、野田さんは記録性を重視した撮影スタイルを取る。「追ってきたのは名古屋鉄道時代の770形と880形の姿。一見同じように見える同形式の車両も目をこらすと細部に微妙な違いがある。それぞれの車両が生きてきた姿を記録として残すことが好きで、誰かに見せるためという意識は全くなかった」と明かす。

 藤井さんは鉄道と町の関わりを意識したアングルを好む。「名古屋鉄道の車両が福井鉄道に移籍したのは岐阜市内線などの廃止がきっかけ。町から電車が消えた後に育った者として、電車が生きている町の景色に強い憧れがあった。写真を撮る時は、電車が生きている町の情景を収められればという思いでカメラを構えている」と藤井さん。

 会場のカフェは福井鉄道福武線商工会議所前電停から徒歩約3分の位置にある。店主の木田泰地さんによると、鉄道写真の展示会は初開催という。木田さんの話を受け、藤井さんは「770形や880形を追いかけて、毎週のように福井に通い詰めて撮影を続けてきた。自分で楽しむためだけのつもりの写真がカフェに並ぶのは不思議な気持ち」と話す。

 昨年、開業100年となった福武線では現在、770形や880形のほか、新型車両の「フクラム」、ドイツ製のイベント車両「レトラム」などの車両が走る。野田さんは「軌道線と鉄道線を直通し、フクラムのようなスタイリッシュな電車が町中を格好良く走るのが福武線の魅力。770形や880形にカメラを向けるファンの姿を見かけると、岐阜生まれの一人としてうれしくなる」とほほ笑む。

 関連イベントとして、7月5日17時から、福井鉄道の社員を招いたトークショーを開催する。7月6日は14時から、野田さんと勝山市在住の井上敦史さんによるユニット「No Way」のライブを行う。電車や鉄道にまつわる楽曲を披露する予定。

 開催時間は11時~18時(金曜・土曜は20時まで)。木曜定休。7月9日まで。

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