福井在住の芸術家・西野カインさんによる個展「記憶の小部屋」が12月23日~31日、福井市のカフェ「毛矢珈琲(コーヒー)」(毛矢3)で開かれる。
西野さんはこれまで、福井市美術館、鯖江市まなべの館など県内の美術館や博物館での展示、屋外イベントでのライブペインティングなどを展開してきた。個展は今春に次いで2回目。趣の異なる場で個展を開く背景には、グッズ販売など対面での交流を通じて来場者とのコミュニケーションをより密にする狙いがあるという。
A4判以下のサイズを中心に、新作を含む約50点を同店1階、2階に展示する。新作の作風は「いつもよりラフなタッチ」と西野さん。極細ペンや水彩絵の具などの画材はそのままに、カフェの雰囲気になじませることを考えて描き込みを抑え、柔らかさを感じさせるような筆致にしたという。
文学好きでもあり、かねて親しんできた小説へのオマージュを作品のモチーフにすることも多いという西野さん。「個展のタイトルは私が運営する作品販売サイトに由来するが、これまで積み重ねてきた私自身の記憶や小説の一節、ブックカフェの趣がある会場の雰囲気などもリンクしている」と明かす。
過去に開催した個展の来場者は50代以上が中心だったといい、西野さんは同展を訪れる10~20代との交流にも期待を寄せる。「ラフスケッチ集、画集、卓上カレンダー、ポストカードなど作品を身近に感じてもらえそうなグッズも用意した。マスターのこだわりがたくさん詰まったすてきな空間で、ゆっくり流れる時間を楽しんでもらえれば」と話す。
営業時間は11時~18時(金曜・土曜は20時まで)。木曜定休。鑑賞無料(ワンオーダー制)。