福井市のカーテンメーカー「カズマ」(八重巻町)が手がける商品が10月25日、デザインコンテスト「Pentawards(ペントアワード) 2024」の公式栄誉賞を受賞した。
10月25日、授賞セレモニーでカメラに収まるaiMIKIさん(左)、数馬さん(右)。aiMIKIさんは「クライアントワーク以外での受賞も目指したい」と、新たな目標を掲げる
ペントアワードは世界各国の優れたパッケージデザインを表彰するコンテストで、今年は62カ国から2000件を超える応募があった。受賞商品は、同社ブランド「Spoon & Sugar(スプーン・アンド・シュガー)」のレジャーシート「ムードラグシリーズ」で、越前市在住のデザイナー「aiMIKI」さんとのコラボレーションで商品化にこぎ着けた。
同社社長の数馬亜季子さんが、相手先ブランドによる製造(OEM)のアイデアを練る過程でaiMIKIさんを知り、これまでの活動などに耳を傾けるうち、同時期に計画していた新規プロジェクトに加わってもらうことになったという。
プロジェクトメンバーにアウトドア好きが多かったことなどから、商品のカテゴリーをキャンプ用品に絞った。同社の新谷香奈子さんは「aiMIKIさんと打ち合わせを重ねる中で、四季のイベントと日本人との関わりの話題になった。アウトドアに出かける人が多い一方で敷物に意識を向ける人が少ないのではという話から、ブルーシートや、派手なだけのシートではない商品を作る方針がまとまった」と振り返る。
「アーティストとコラボして付加価値のある商品を作ろう」をテーマに、デザイン性、シート同士を連結できる機能性などを盛り込んだ。試作段階では、クッション性を高めるアルミシートと縫製との相性、連結時のファスナーの精度などの課題が浮き彫りになり、メンバー以外の社員にも協力を得て解決策を探っていったという。
aiMIKIさんが手がけた商品の受賞は、ボードゲーム「ZENタイル」、包丁「EZZEN(エッツェン)」に次いで3度目。aiMIKIさんは「自然環境保全への取り組みは今や、世界的なパッケージデザインの必須事項。『ムードラグ』は折り畳んだ状態そのものがパッケージとなっていて、余分な廃棄物の出ないパッケージであることが評価につながったのでは」と話す。
商品ラインアップは現在、恐竜など福井の「ご当地柄」を含む19種。今後、商品のデザインを生かした小物雑貨などの展開も予定する。
価格は1万2,760円。