アートイベント「ZEN AIR Eiheiji(ゼン・エアー・永平寺)成果発表展 2024」が11月16日、永平寺町内で始まる。
「禅の里」をうたう同町の交流人口拡大など目的に、福井県、永平寺町、民間企業などでつくる「ふくいArts Center and Residenceプロジェクト実行委員会」が企画した。委員会の公募で選出された芸術家2人によるアーティスト・イン・レジデンス(実地制作形式)の作品を町内2会場で展開する。開催は昨年に次いで2回目。
展示作家は、美術作家や写真家として活動するカミラ・スベンソンさん(ブラジル在住)、美術作家でデザイナーでもあるミャオ・リーさん(オランダ在住)。2人は9月から町内に滞在し、地元スタッフの協力を得たり、町内の人たちと交流したりしながら、町の文化や歴史などの調査に取り組んできた。
スベンソンさんは、同町やその周辺地域に住む女性のポートレート写真を通して、家族との関係性、空間と人との関係性などを表現した作品を展示する。リーさんは、永平寺などで習得したわらじ作りなどの技術を基に、町内で刈り取った稲わらと越前和紙で作った立体作品を披露する。
町内にある民家の蔵では、昨年の選出作家である彫刻家・中村厚子さん(神奈川県在住)の作品を再公開する。流木などで構成した立体作品で、町に息づく禅の精神を重厚に表現した。
同委員会によると、今年は国内外から109件の応募があったという。スタッフの後藤亜好さんは「2人のアーティストは、リサーチ、制作、日々の生活などを通して、永平寺町の自然や禅文化、歴史などに触れてきた。2人の感性が捉えた町の風土や人同士のつながりを、作品から味わってもらえれば」と呼びかける。
関連イベントとして、公開制作「ミャオさんと縄の作品を作ろう!」を開催する。来場者と共に1本の縄を作り上げる公開制作プロジェクトで、会期最終日に完成披露のセレモニーを予定する。参加に当たって1日券などの購入が必要。事前申し込みは不要。
鑑賞料は、1日券=500円、期間中通し券=700円、高校生以下無料。今月24日まで。