敦賀市の「ジャクエツ」(若葉町2)の取り組みが、11月5日に発表された2024年度グッドデザイン大賞を受賞した。
受賞したのは、同社が手がける遊具研究プロジェクト「RESILIENCE PLAYGROUND(レジリエンス・プレーグラウンド)プロジェクト」。障害の有無にかかわらず誰もが遊べる遊具作りを掲げた取り組みで、児童発達支援などを手がける「オレンジキッズケアラボ」(福井市)など福井県内の医療関係者や地域住民らと協働して、これまで遊具3種の開発にこぎ着けた。県内企業の大賞受賞は初めて。
グッドデザイン賞を審査する日本デザイン振興会(東京都)によると、本年度の同賞受賞作は1579件。大賞は「グッドデザイン金賞」20件を対象に審査委員や一般による投票を基に選ぶもので、同日行われた受賞祝賀会で結果発表があった。有効得票数は2363票で、同プロジェクトは2位と88票差の349票を得た。
本年度の同賞のテーマは「勇気と有機のあるデザイン」。同振興会は評価のポイントとして、「『遊び』は創造力の源となる活動。遊びから遠くに置かれた重度心身障害児や医療的ケア児らの『遊び』を引き出すような事例が少ない中、分野を超えた協働によって具現化された貴重なプロジェクトであること」を挙げる。
同社スペースデザイン開発課の田嶋宏行さんは「遊びと医療の間にある『遊べない』という状況や問いに対し、取り組みを始めたプロジェクト。関わったさまざまな人たちが積極的に受け入れてくれ、常に医療的ケア児と共に遊びながら突き詰めていくことができた。コロナ下で小さく始めたプロジェクトが栄えある賞に選ばれて驚いている」と話す。