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熊本復興支援「ミフネリュウランドセル」 福井の専門店が商品化、特産品進呈も

同商品を手に笑顔を見せる山田耕一郎社長。購入者には御船町恐竜博物館の入場券も進呈する

同商品を手に笑顔を見せる山田耕一郎社長。購入者には御船町恐竜博物館の入場券も進呈する

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 福井市のランドセル専門店「イクラボ」(福井市大和田2、TEL 0776-89-1882)が6月上旬、熊本県復興支援ランドセル「ミフネリュウランドセル」の販売を始めた。

同店オリジナルランドセルには、コードバン素材の「トラディショナル」(上段、各9万5,040円)、牛革素材の「フェアリー」(下段、各7万2,360円)なども

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 1979(昭和54)年、熊本県御船町で出土した日本初の肉食恐竜化石(通称=ミフネリュウ)にちなんだ同商品。昨シーズンに100個以上を売り上げたという同店オリジナル「ダイナソーランドセル」シリーズの一環として、約1年掛けて開発した。

 サイズは、高さ31センチ、幅23.5センチ、奥行き(マチ幅)12センチ。重さは1260グラム。色は黒。かぶせ(=ふた)裏の骨格プリントや足の骨をあしらった金具など細部にこだわり、生地には傷に強いという人工皮革「クラリーノ・タフロック」を採用した。

 同店を手掛けるスクールウエア卸「山耕」(越前市小松2)の山田耕一郎社長にとって、熊本は大手学生服メーカー勤務時代を過ごした「第二の故郷」。妻の貴子さんと知り合った地でもあり、昨年4月の熊本地震で被害を受けた阿蘇神社(熊本県阿蘇市)の姿をニュースで見て大きな衝撃を受けたという。

 「熊本には親せきが多くニュースを見た妻も大変落ち込んでいた。仕事を通じて復興の役に立てればと考えていたところ、熊本在住時代にミフネリュウの話を耳にしたことを思い出し、『恐竜王国』を掲げる福井から恐竜つながりで熊本を応援するというアイデアが浮かんだ」と明かす。

 開発に当たって御船町恐竜博物館(熊本県御船町)の監修を受けた。「熊本の人たちはフレンドリーな気質だと知ってはいたが、電話での打診に快諾いただき開発は予想以上にスムーズに進んだ。ミフネリュウは歯の化石しか見つかっていないが、これまでの研究でカルカロドントサウルスの系統と推定されている。全身骨格をプリントできたのも博物館の助言のおかげ」と話す。

 「復興支援を一時的なものにしたくない」と今後10年間、毎年30個の限定生産を予定し、購入者には6年にわたり熊本の特産品を送るプログラムも設ける。今年は酒販店「阿蘇・岡本」(熊本県阿蘇市)が阿蘇神社復興支援を掲げ販売する「蛍丸サイダー」1ダースを進呈する。

 販売開始直後にフェイスブックページに写真を載せたところ、「現物を手に取る前から予約が入った」という好調な滑り出し。「『恐竜博物館』をうたう施設は国内では福井と熊本にしかなく、福井市と熊本市は姉妹都市という関係でもある。ミフネリュウランドセルが、熊本の震災復興に思いを寄せる人の増加につながるきっかけとなれば」と力を込める。

 価格は6万4,800円。

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