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福井のタイ料理店「プラトゥータイ」が10年 国際結婚の夫婦、二人三脚で

ランチタイムの店内。「12時~13時と18時~20時の間は、電話で空席状況確認がお勧め」と敏彦さん

ランチタイムの店内。「12時~13時と18時~20時の間は、電話で空席状況確認がお勧め」と敏彦さん

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 福井市のタイ料理店「プラトゥータイ」(福井市文京4、TEL 0776-26-2485)が6月21日、オープン10周年を迎えた。

水曜・木曜のみ提供する「レッドカレー」(600円)。具材のタケノコは、現地ではカレーの食材としてポピュラーという

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 店舗面積は約10坪。席数は、カウンター3席、テーブル12席。タイで国際結婚した安達敏彦さんと現地出身のスナンタさん夫婦が、えちぜん鉄道福大前西福井駅(同)近くにある自宅2階のLDKを改装してオープンした。

 開店のきっかけは、電機メーカーに勤めていた敏彦さんが40代半ば、早期退職制度で会社を辞めたことだった。夫婦で将来について話し合う中で、スナンタさんから「私が料理を作る」とタイ料理店開業を後押しされたという。敏彦さんは「妻の話を聞き、赴任先のタイで日常的に目にしていた料理の数々が日本人にとって新鮮なものだと改めて実感した」と振り返る。

 メニューは、「タイ・ヌードル」「グリーンカレー・ライス」「トムヤム・ヌードル」(各500円)、「ヤムウンセン(春雨サラダ)」(600円)、「パッ・カパオ(目玉焼き乗せごはん)」(600円)、「揚げバナナ」(200円)など。「食材があればメニューにない料理も盛り込む」という「お任せランチ」(1,000円~)もある。お任せランチは2人以上から受け付け、前日までに予約が必要。

 値段はオープン以来ほぼ据え置き。福井大文京キャンパス(文京3)近くという立地から「学生の財布に優しいワンコイン」で満腹感を得られるメニューも用意した。「一言で言えば企業努力ということになるが、開店当初に比べ食材入手が比較的容易になった背景もある。農家からの直接購入も増え、グリーンパパイヤやレモングラスなどは九州の農園からの売り込みをきっかけに仕入れるようになった」

 同大への留学生など福井在住のイスラム教徒に配慮し、一部メニューではハラール対応をうたう。「食材持ち込みでハラール料理を作ってほしいという相談もあった。開店をきっかけにイスラム教の文化を直接目にする機会が増え貴重な体験をさせてもらっている」。自らの経験を踏まえ「福井の飲食店やスーパーなどもハラールに配慮した品ぞろえを充実させると反響があるのでは」とも。

 同店訪問を軸に福井での観光ルートを組み立てたという京都からの旅行者や、東京からの出張ついでに訪れるビジネス客など来店客の輪も広がった。「まさか10年も続くとは思わなかったというのが正直な感想で『お客さんに恵まれた』の一言に尽きる」。最近はハーブの一種「パクチー」を使った料理が人気で、パクチー目当てに訪れる新規客も増えつつあるという。

 福井とタイをつなぐ架け橋になればと、タイ語で「門」を意味する「プラトゥー」を店名に掲げる。敏彦さんは「近年、格安航空券が普及しタイへアクセスするハードルが低くなった印象がある。当店の料理をきっかけにタイを訪れる人が1人でも増えれば」と笑顔を見せる。

 営業時間は11時30分~20時。日曜・祝日定休。

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