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福井・敦賀テーマの交流サイト 地元出身の映画監督開く、次世代型SNS「マストドン」で

同サイトの画面。「福経」編集部は、アカウント名「291keizai」で敦賀関連情報を投稿する

同サイトの画面。「福経」編集部は、アカウント名「291keizai」で敦賀関連情報を投稿する

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 福井県敦賀市をテーマにした交流サイト「つるが.net」が4月27日、オープンした。

敦賀市から委託を受け、観光ショートムービー「いつか、きらめきたくて。」(全4話)を製作中の山下さん。2020年までに全国公開作を撮ることを目標に活動する

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 「市民はもとより、出身者やそれ以外の方も歓迎」と掲げた同サイト。東京都在住で同市出身の映画監督・山下大裕さんが、次世代型SNSとしてネット上で話題の「マストドン」を使い約1週間掛けて作り上げた。

 マストドンは独在住の若者が開発したツイッターライクなミニブログシステムで、最大500文字のトゥート(投稿)ができたり、「公開」「ダイレクト」など投稿範囲を選べたりする機能がある。国内外の企業や有志など各自が運営するインスタンス(=マストドンのサイト)のユーザーを遠隔フォローする仕組みもあり、画面上の「連合タイムライン」で相互の投稿を閲覧することもできる。

 山下さんがマストドンを知ったのは4月中旬ごろで、IT系のネットニュース記事がきっかけだったという。「幅広い可能性を秘めたシステムだと直感し、いち早く波に乗ろうと判断した。ドメインを取ったのが4月21日で、先にインスタンスを立ち上げた人の助言も受けながらシステムを組み上げた。福井に特化したインスタンスは初めてでは」

 マストドンの特徴である「連合」の仕組みにも触れ、「ツイッターにはリツイート機能があるが、基本的にフォロワー以外には情報が届きづらい。フェイスブックは実名主義で、情報共有のためには相互が友達としてつながることが前提となる。マストドンはインスタンス単位で見ると閉じたコミュニティーだが、連合により情報が広がる可能性を秘めている」と期待を寄せる。

 日本映画大学(川崎市麻生区)在学中、敦賀出身の若手女優・濱頭優さんらを起用したオール敦賀ロケの「弥生の虹」などを製作した山下さん。「『つるが.net』も映画同様、私の『敦賀愛』の表れ。既にブログで地元情報を発信しているがブログより閲覧者の輪が広がりそう」。人々の生き方が多様化する現代社会を引き合いに「テーマを絞りつつ緩やかに横のつながりもできるマストドンは、今の時代にフィットしたSNSなのでは」とも。

 4月28日、東京都内で行われた技術者交流会「マストドン会議」にも参加し、「参加者の9割以上がIT技術者で、マストドンをまちおこしに生かす声は少ない印象」だったという。「今や、観光振興とネット活用は切り離せない時代。2023年予定の北陸新幹線敦賀開業は街を活気づける好機で、開業に向け、敦賀ゆかりの人たちが日常的にリアルタイムで交流できるサイトとしての地位を確立したい」と話す。

 サイト利用は無料。利用に当たっては、アカウントやメールアドレスなどの登録が必要となる。

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