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福井で勉強会「黒龍ができるまで」 オリジナル大吟醸造りに向け、学生ら参加

酒母の香りを確かめる参加者

酒母の香りを確かめる参加者

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 福井県永平寺町の「兼定島酒造りの里」(永平寺町松岡兼定島)で2月11日、日本酒勉強会「黒龍酒造のお酒ができるまで」が行われた。

「福井にはおいしい酒が生まれる土壌がある。農家や酒蔵の人に接することが日本酒への理解を深めるきっかけになれば」と久保田代表(後列中央)

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 福井の地酒「黒龍」の県内取扱店グループ「黒龍特約店・有志の会」が、県内の学生や20代の社会人を対象にした「ありがとうプロジェクト」の一環として企画した。同プロジェクトは、自らの手で育て収穫した酒米で造る「黒龍大吟醸純米酒 あどそ」を日頃世話になっている知人などに贈るというもので、今年で4年目。

 同日9時30分から始まった勉強会には、今年の参加者から10人が参加。冒頭、同グループ新代表で「久保田酒店」(鯖江市旭町1)店主の久保田裕之さんが「今日は今シーズン一の大雪となったが、この雪がやがて伏流水となって皆さんの植えた稲を育み、良い酒を醸す基となる」とあいさつした。

 勉強会は学習会・蔵見学・座談会の3部構成で、学習会では日本酒製造工程の説明動画や同プロジェクトの紹介動画を上映した。参加者は、大野市阿難祖地頭方(あどそじとうほう)地区で行われる酒米「五百万石」の田植えの様子などを映像で学んだ。

 蔵見学では、黒龍酒造の高松雄平さんが「蔵は仕込みの真っ最中で、発酵による独特の香りが立ち込めている。香りはもとより微生物の活動による音も感じて」と説明。参加者は酒母室や麹室(こうじむろ)などの施設、もろみを絞る機械などを見学し、酒母が発酵する様子を目の当たりにしたり、吟醸酒や冷やおろし向けの酒など用途ごとに異なる酒母の香りを体験したりした。

 プロジェクト参加の感想や日本酒・酒販店のイメージなどを話し合った座談会では、福井市在住の柳川尚子さんが「今回の体験で日本酒に愛着を感じたので、実際に酒造りを体験してみたい。酒販店は酒に合うつまみの提案や、試飲できるような売り方を取り入れては」と提案した。

 同町から参加した短大生の中野菜央さんからは「手作業で田植えをすることで昔の人の苦労が分かった。大学でデザインを学んでいるので、感謝を伝えたい人に向けて自分でラベルをデザインしたい」という感想もあった。

 仕込んだ「あどそ」は6月3日の贈呈式で参加者に渡される予定で、6月上旬から一般販売も始めるという。

 価格は、720ミリリットル入り=2,808円。

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