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福井・丸岡城近くに炭火焼き魚ランチ店-老舗料亭「ほんだ」が出店

魚のうま味を逃がさないよう「強火の遠火」で焼き上げた「鯖焼魚定食」(880円)

魚のうま味を逃がさないよう「強火の遠火」で焼き上げた「鯖焼魚定食」(880円)

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 福井県坂井市に2月16日、「炭火焼魚食堂 炭魚ほんだ」(坂井市丸岡町本町、TEL 0776-66-0023)がオープンした。

「子どもたちが昔の商店街のにぎわいを想像できるきっかけになれば」と本田さん

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 同市内で料亭「ほんだ」を手掛ける、明治創業の鮮魚店が開いた同店。5代目の本田悦子さんは「2代目が始めた料亭は歓送迎会や忘新年会のほか、結婚披露宴に使われることも多かった。洋風の結婚式が主流となる中、若い客層を取り込むための新業態として考えた」と話す。

 もっとも、以前から明確なコンセプトがあったわけではなかったという。「通り一遍のことをやってもお客さんは来ない。最近は、料亭を予約し靴を脱いで座敷に上がるというスタイルも敬遠されがち。『若い人に向けて』といっても何をしていいか分からず、長い間、悶々(もんもん)としていた」

 同店近くの飲食店2店舗が立て続けに廃業したことが本田さんの背中を押した。「地元の商店街にある飲食店がうちだけになった。商店街で育った者として、街並みが寂しくなっていくのは残念。自分なりにできることをやってみよう」。料亭の売りである炭火焼き魚料理を掲げた食堂を出そうと決めた。

 昨年6月ごろから準備を進め、国の公的助成制度を活用して調理場の一部を改装。工事が進むにつれ開店を期待する声が大きくなり、2月中旬に3日間の仮オープン期間を設けた。「『落ち着いた雰囲気に生まれ変わって驚いた』『焼きたてで塩加減がいい』とほめていただいた。『悦っちゃん頑張って』との応援の声もうれしかった」と笑みをこぼす。

 店舗面積は約12坪。客席は、テーブル席=8席、小上がり席=12席、カウンター席=2席。メニューは「サケ焼魚定食」(950円)、「サワラ西京焼き定食」(880円)、「ハタハタ干魚定食」(770円)、「サケ塩こうじ焼き定食」(950円)、「ムツ照り焼き定食」(1,480円)など。「とりのてりやき」(1枚450円)、「イカリングフライ」(100グラム230円)、「なすいためマーボ風」(1パック300円)など総菜のテークアウトにも対応する。

 小学生のころから店を手伝い、京都の調理師専門学校を経て料理の道に進んだ本田さん。イタリア料理店やホテルの製菓部門で腕を磨き本場で食べ歩いた経験をメニュー作りにも生かすつもりという。「日本食の味付けや調理法にこだわらず、素材に合ったアレンジを心掛けたい。イタリアンもフレンチも、日本で口にするものは日本食だと思うから」

 現存最古の天守とされる丸岡城から徒歩約5分の場所に位置し、観光客の来店にも期待を寄せる。「刺し身定食などのランチメニュー、少人数向けのテークアウト総菜も充実させていきたい。暑い時期になったら営業時間を延ばし、生ビール片手に魚料理を楽しんでもらっても」と夢を膨らませる。

 営業時間は11時30分~15時(テークアウトは20時まで)。第2・第4日曜と祝日定休。

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