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福井で「異色の絵本作家」エドワード・ゴーリー回顧展 2カ国語読み聞かせも

「不幸な子供」(1961年)
©2010 The Edward Gorey Charitable Trust

「不幸な子供」(1961年) ©2010 The Edward Gorey Charitable Trust

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 福井市美術館(福井市下馬3)で現在、「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密展」が開催されている。

会場の様子。県外からの来場者も多いという

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 1925年、米シカゴ生まれのゴーリーの国内初となる回顧展。2000年に亡くなるまでに残したモノクローム線画のほか、草稿、装丁を手掛けた書籍など約350点を展示する。同展は2016年、伊丹市立美術館(兵庫県伊丹市)を皮切りに全国を巡回している。

 2階展示室を3つのコーナーに分け、第1章=「主著:ゴーリーによるゴーリーの世界」、第2章=「イギリスの詩・文学とゴーリーの挿絵」、第3章=「ゴーリーの多彩な創作と舞台美術」で構成。1階エントランスには同展オリジナルグッズなどの販売コーナーも設ける。

 順路前半では、押韻・造語・古語などを駆使した文章と緻密な筆致の挿絵を組み合わせた「プライマリー・ブックス」(=ゴーリー自身が文と挿絵を手掛けた本)などを紹介。邦訳された「うろんな客」「ギャシュリークラムのちびっ子たち」のほか、未邦訳の原画や草稿などを展示する。

 担当学芸員の山田泰啓さんは「ゴーリーは文章をまず組み立てて挿絵を加えていくという制作スタイルを取っており、絵本のテキストも手書きでレタリングしている。邦訳版の装丁家が、原書の雰囲気をできるだけ保つような書体選びをするのに腐心したと聞く」と解説する。

 順路後半では、米国のテレビシリーズ「ミステリー!」などゴーリーが手掛けたポスターや、ギルバート&サリバンの喜歌劇「ミカド」の衣装デザイン画なども紹介する。

 山田さんは「ゴーリーは緻密なモノクロ線画とは対照的のポップな色使いの商業美術も多く手掛けている。不思議な世界観で『異色の絵本作家』と評されるゴーリーの多面性に触れるきっかけになれば」と話す。

 関連イベントとして、「午後の優雅なティーギャラリー」(3日15時~)、日英2カ国語の読み聞かせ「エドワード・ゴーリーの絵本をきく会」(4日11時~)、山田さんによる作品解説会(3日・17日 各日14時~)、オープンアトリエ「子ども美術館」(21日10時~)などを行う。オープンアトリエは要申し込み。

 開館時間は9時~17時15分(入館は16時45分まで)。入場料は、一般=800円、高・大生=500円、小・中生=200円。月曜、3月22日休館。3月25日まで。

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